クーリングオフ基礎知識紹介
消費者契約法は業者と消費者との間の情報力・交渉力の格差などから来る不公平を是正すべく、平成12年に成立、13年から施行されるようになりました。消費者問題に関する基本的事項を扱っている法律といえ、例えば「消費者」、「事業者」の定義から、一定の消費者契約に対する取消権なども認められております。
尚、消費者契約に関する法律としては「消費者基本法」という法律も存在してはいるのですが、こちらは基本的な事項を定めたものであり、実効性のある条項などはないことから、実務現場ではあまり出てくることはありません。
適用範囲
消費者契約法が及ぶ範囲は「事業者と消費者が締結する消費者契約」についてです。
まず、「事業者」とは法人その他の団体及び事業としてまたは事業のために契約の当事者となる個人のことをいいます。前半の赤字部分により、NPOなどを含む全ての法人が事業者にあたるとされています。また、事業は営利に限るものではなく、弁護士、行政書士などの専門職も対象となっています。
一方、「消費者」とは個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)をいいます。従って事業を行っていない個人は対象となります。また事業を行っている自営業や専門職も個人事業と関係のない部分(例えば行政書士がクリーニング契約をした場合など)については消費者としてあたると考えられます。ただ、事業と関係のある部分(事務所に専用電話を設置したなど)については消費者にあたらないとされる場合もあるので注意が必要です。
最後に「消費者契約」とは「消費者」と「事業者」の間でなされる契約のことをいいます。契約の態様は問われませんが、労働契約については消費者契約法の中で除外されております。売買、交換、ローン契約などはもちろん、保証契約なども対象となります。
事業者の情報提供義務
契約内容は明確かつ平易であるべきなどということ、また情報提供や説明責任を果たすような義務などが規定されています。ただし、法的義務ではなく努力義務となっているので従わなかったから罰があるというものではありません。
消費者取消権
「#10 クーリングオフできない場合は」の消費者契約法の項を参考にしてください。
消費者契約における一定の条項の無効
「# 消費者に不利な契約内容があったらどうなる?」を参考にしてください。
尚、消費者契約法は平成18年の改正では消費者契約法に基づく団体訴訟を提訴できるとする条文が盛り込まれ、平成19年6月7日から施行されることとなりました。この部分は別に記載します。