クーリングオフ基礎知識紹介
業者の個々のやり口としては消費者センターなどのページにも色々出てきており、その危険性などは大分認知されていると思いますが、最近では連携して悪質商法を行ってくるケースもあります。ここではそうした業者の協同作業みたいなのの事例を少し紹介してみましょう。
例えば、A会社のリフォーム契約をXさんがうっかり締結してしまったとしましょう。ここでXさんが消費者保護のための武器を使えばいいのですが、気付かなかった、あるいは「そこまでしなくても」と思ったりしてそのままにして日を過ごしていたとしましょう。
そうすると、今度は別の業者(B会社)がやってきてこんなことを言ったりします。
「あなたは以前、A会社にリフォームを頼まれませんでしたか? 実はA会社は最近消費者センターに苦情の多い悪質会社なんですよ。あの会社の工事は杜撰なので耐震機能が以前よりも低下している危険性があります。このままではいけませんので改築する必要がありますが、ひとまず当社が緊急補強工事を行いましょうか?」
と、具体的な資料などを見せたりしてB会社は契約をさせようとするわけです。皮肉なことに実際にA会社の工事は杜撰なのでその証明は非常に簡単になるわけですが、証明されたXさんはびっくり。B会社はA会社よりも簡単にXさんと契約を締結しやすいということになるわけです。
あとはC会社、D会社が…と連鎖反応的にやってくるわけです。
業者にとってカモとなる消費者の情報などは業界に流れて次々と利用されてしまうということになる場合もあるのです。
あるいはA会社が例えば電気工事をしている会社を装って「この家は危ないですよ」とその場で契約を勧めることなく「危ない」という認識だけ与えた後に、リフォーム会社のB会社がやってきて、「この家は危ないですからリフォームしてみませんか?」ともちかけてくるなんてこともあります。この場合、以前に電気工事の会社から指摘を受けているだけに不安になる…ということでついつい契約してしまうなんてことになるわけですね。
もちろん、この場合のA会社とB会社は同一会社であったり、別会社であっても意思の疎通を図っていることは言うまでもありません。振り込め詐欺で相手が弁護士役、警察官役などを装うのと同様に連携してかかってくるなんてこともあるわけですね。
ただでさえ業者と消費者では法律知識や専門知識などに差があるわけですが、そのうえ業者がスクラムを組んでかかってくるとなると中々太刀打ちは難しいものです。消費者保護の法律だけでなく、個人情報の兼ね合いもある複雑な問題となりますが、とにかく甘い話にはしっかりとした対応をとるようにしていくことが大切です。